引越しもひと段落、ようやく片付いてきた。
懸念していた義父母の訪問も終了し、やっと一息。
そんなドタバタの中でも、活字中毒としては本を読むのだけれど、思わず引き込まれてあっという間に読了した本。
主人公はビートルズのジョン・レノンを強く想起させるジョンと言う人物。避暑のために訪れている軽井沢で、便秘に悩むところから物語は始まる。ビートルズのファン、あるいはビートルズに関して多少の予備知識が無いと読むのはちょっと大変かもしれないけれど、奥田英朗の巧みな筆致で行った事もないイギリスの情景でさえも目に浮かぶようである。
ジョンが過去の亡霊に苛まれつつ、自らの再生に向けて前進していく、そんな物語。当然フィクションなのだけれど、あとがきや解説を見るとそれもまたありかもしれない、と思わずにはいられなかった。