今日この後、両親がはるばる長野から新居を見に来るのだけれど、その為に代休を取得。(今週末は海の日も含め某事情により出勤の為)
家人は昼まで仕事の為、職場近くで待ち合わせ一緒にランチを取る予定だった。近くに本屋が入った複合商業施設があるので、早めに行って立ち読みでもしようと手に取ったのがこの本。
そういえば話題になっていたなぁと思いつつ、少し読む。基本的にはハードカバーはあまり買わない(高い、かさばる)、というか特定の作家に限って買うのだが、今回はその垣根を飛び越えどうしても読んでしまいたくて購入してしまった。その後家人と合流するまでに3/4ほど読み、帰宅後先ほど読了した。そして興奮冷めやらぬままこれはレビューをしなければと思い立った。
正直イロモノ(本職の作家ではないので)と思っていた。評判が高いのもそれ故のこと、若しくは一種のプロモーションだと思っていた。しかし実際に読まず勝手に判断していたことは良くないことだと痛感した。もう、なんというか、良い。
これを書くとネタバレになってしまうのかもしれないけど、タランティーノ的な展開を持っている。「道草」〜「鳴き砂を歩く犬」まで5つの章になっているが、それぞれ単体でも短編として成立しているようだ。その中に、笑いあり、毒気あり、そして涙あり・・・。喫茶店で思わず落涙しそうになって焦った。
ところどころに、はっとさせられる、素敵な文章があった。
私が感じて、見てる世界を写真に残したいって思った。変な話だけど、私その時初めてカメラマンになれた気がした。
〜劇団ひとり『陰日向に咲く』P104〜
読了して、ハードカバーで買った事を後悔せず、むしろ良かったと思った。もっと早く読みたかった。
当然異論はあるのだろうけど、芸人が書いたから話題のある小説、なんてくくりで語るべきものではないような気がする。出来ればこのクオリティで2作目、3作目と飛ばして欲しい。プロットにしても文体にしても、特筆すべきものがあったと思うので。
悪いことは言いません、これは"買い"です。身近な人、要望があれば貸します。
では時間が無いのでこの辺で。