x31hook's blog

何の考えもなくフリッカーアカウントを削除したせいで古い記事の写真がありません。あしからず。

路地裏のヒミコ

路地裏のヒミコ

 

飴村行、「路地裏のヒミコ」読了。先日も書いたように、文庫まで待とうか悩んだが、飴村行だし、と思って購入。

 

今作は中編が二つで構成されている。「水銀のエンゼル」と表題作「路地裏のヒミコ」。 

 

「水銀のエンゼル」は飴村行本人を思わせる人物が主役で、ほろ苦い青春小説みたいなテイストで話が進んでいく。あれ?作風変わったのかと思っていると、後半で一気にドーンと突き落とされる。飴村行だけに万人にはおすすめできないけれど、稀有な読書体験。こんなことあったらやだなと、結構本気で怖くなる。

 

「路地裏のヒミコ」はややコメディタッチなのかな、主役の青年二人のやり取りは漫才のよう。詳しくは書かないが、作中人物の宇宙理論的なものなどが出てくるので、これをもっと大長編化して「ドグラマグラ」みたいにしてもいいのではないかと思った。

 

なぜか惹かれる飴村行。新しい作品が出て読了すると過去作が読みたくなり読み返してしまう。決して人にお勧めできるものではないし、こんなの好きって公言していいのかと思えるが、いいものはいいものなので仕方がない。次の作品も期待したい。

路地裏のヒミコ

路地裏のヒミコ